三つ目の橋を渡るまで

昨日、エプロンを買いに行くつもりで家を出たのに、道の途中で急に、
お金を使うことがものすごく怖くなってしまったの。
何もしないでお部屋へ帰ってしまったの。

今日は、朝起きて、どうしていいかわからなかったけれど、
ぼんやりして、すこし歌ってみて、お風呂に入ったら調子が出てきたので洗濯をして。
それからお散歩してみました。
近くの川沿いを、ずっと歩いてみました。
オレンジのグミを食べながら、犬のお散歩とすれ違いながら、
空を見ながら、雲を見ながら。
ここから三つ目の橋が架かっていたら、それを渡ろう、それまで帰らない、と決めて、
ちょっとだけ歌を口ずさみながら、ちいさなちいさな家出気分で。

三つ目の橋を渡るまでに、空に浮かんだ大きな鳥の夫婦を見たよ。
ひとつになって、こどもが生まれて、それから散り散りになっていきました。
そういえば、雲を見るのは楽しいんだったなあ。
思い出させてくれて、ありがとう。

ちょっとしたことで、何もかも不安になるけれど、
ちょっとしたことで、何もかも解決した気になったりもします。
わたし、単純でよかったなあ。
よかったなあ。