どうしてこうなんだろう Category:日々のこと Date:2009年05月22日 いやな出来事って、こういうところに書くのに勇気が要ります。吐き出してしまいたい気もするし、けれど、何かについて嫌いとか不愉快とか、そういう批判的なことは、あんまり言葉にしたくない気もするし。かと言って、事情を何も明らかにせずに「不満があります」とだけ言うのも、読んでくださる方にとって良いことと思えないし。(……といって、前の日記にも、書くときは書いてしまっているのだけれども)お仕事のことです。わたしは基本的に、接客が好きです。お洋服の販売が好きです。だって、お洋服って、身につけるものだから。例えば、うちのお店で買った服を着て、どこかへ出かけて、そこで楽しく過ごせたとしたら、ちょっぴりだけど、そのお客様のすてきな思い出に貢献できたと思うのです。買ったお店や店員の顔なんて覚えていなくて構いません。でも、ほんの端役でも、誰かの人生の登場人物になれるって、わたしにとって、とても嬉しいことです。ぶっきらぼうなお客様にあたふたしてしまうこともあるけれど、ありがとう、と笑ってもらえたら、涙が出そうになることもあります。そういうお仕事なのだけれど、時には嫌なこともあります。「つづき」に書くので、マイナスな出来事を知りたくない方は、開かないでくださいね。 最近、仕事中に、男の人が怖いと思うことが何度かありました。わたしは、お客様のために出来ることは、すべてして差し上げたいし、一番重要なのは「気が付く」ことだと思っています。例えば、ジーンズの丈を合わせるにも、基本的には気をつけの姿勢で丈を取るとして、けれど日常の中では、直立不動でいることは滅多にないので、動いてみて皺がよったらどうなるか、電車で座ったとき靴下が見えて恥ずかしい思いをしないか、ベルトを締めたらどうなるか、女性なら、例えば今日はスニーカーでご来店でも、これからのシーズン、サンダルやミュールなどヒールで穿く機会はないか、などなど、細かく確認しながらベストな丈を相談します。「普通の長さでいいです」とおっしゃるお客様が、ご自分では気が付いていらっしゃらない点だから、販売員のわたしがそこに気付かなくてはいけません。それに、出来るだけ楽しくお買い物して頂けるように、色々と話題を見つけては会話をするようにしています。販売員とのお喋りが苦手そうなお客様には、必要以上にべたべたしないように気をつけるけれども、いずれにせよ、物が手に入って良かったな、だけでなく、お買い物してよかったな、と思って頂きたいので、明るく楽しく笑顔で接するように心がけています。当然、お洋服選びについてご相談してくださったような場合には、親身になってお話を伺うし、お買い物のお手伝いをさせて頂きます。それは販売員として、当然のことです。店員がお客様に親切にするのは、当たり前。……が。それを、勘違いされるお客様もいらっしゃるようなの。今日、ある男性のお客様の接客を担当しました。トップス、ボトムス、小物まで、色々とご購入くださいました。そのお客様は男性にしては小柄な方で、Sサイズをお探しでしたが、他のお店では「Mからしか無い」と無碍にされてしまったそうです。自店の在庫の中からSサイズ展開のあるものを探し、無いものはお取り寄せの手配をしたり、Mでもおかしくないか、サイズ感の確認をお手伝いして、合わないものは無理に勧めず、別のものをご提案したりと、結局、試着や何か色々含め、一時間近くかけてご案内しました。その間に何度も、服屋でこんなに親切にして貰ったのは初めてだとか、あなたは本当に良い人だとか言ってくださるので、ありがとうございます、と軽く流していたのだけれども。さあ、お会計、という頃になって、「変な話、僕フリーなんですよ」「今フリーですか」「結婚しているんですか」など、個人的なことをしきりに言ってきて、連絡先を渡されそうになりました。お客様から個人的に連絡先を頂くのは業務規定違反になるし、恋人がいるからと(嘘をついてしまいました)お断りしたものの、「でも、来月辞めるんですよね?辞めたら会社は関係ないですよね?お友達からでいいので」などと食い下がってきて。……そういえば会話の流れで、閉店後どこかのお店に異動ですか?実は辞めるんです、というようなことを言ったような。接客中は、まさかこんなこととは思わなかったので、他にも色々、何曜日が休みとか、話してしまったのです。迂闊だったと言われればその通りなのだけれど、わたしのいるときにまた来たいからと言ってくださる顧客の方も多いので、特に違和感もなく話してしまって。そのお客様、お取り寄せをしているし、ジーンズの丈直しもあるので、少なくとももう一回は確実にご来店になります。しかも、連絡先を書いたメモを、わざと置いて帰っています。わたしの考えすぎで終わるはずだと思うけれど、正直、ものすごく怖いです。とにかく、取り敢えずはそのお客様がご来店になった時は、用が無くても業務連絡で呼び出してもらって隠れていることにしました。大げさかも知れないけれど、しばらく徒歩通勤をやめてバスにします。職場がお店の近くらしいので、会ってしまったら嫌だから。閉店まであと20日という、最後のがんばりどころで、どうしてこう、問題ごとになってしまうんだろう。そういうお客様をちゃんと見分けたり、あしらったりすることも販売員のスキルのうちだと思うと、自信がなくなりそうです。遠からず近からずの出来事が、他にもあったので。ほんとに、なんでなのかな。こういう言い方はしたくないけれど、「…だって、仕事だからなのに」。 PR